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2-14 新しい出会い

2-14 新しい出会い

別れがあれば、出会いがある。過去に拘泥してもつまらない。ジーナは楽しい思い出を沢山私にくれた。それで十分だ。それに彼女が20代の一番美しかった時期に付き合えたと思えば、美味しいとこ取りしたようで感謝の念さえ生まれる。彼女も今や三十路を迎え、中年太りを始めたらしい。

ただ、ジーナとも3か月ルールをはるかに超えた付き合いなので、この縁がいつまた復活するかはわからない。2〜3年別れてふと出会ったら、また火が付いたなんてよくある話しだ。幸か不幸か、彼女はそのお店を辞めて、隣町のファーストクラスに移った。私には遠すぎる所で、自分からは行く気にもなれない。ジーナも私の行動範囲を知っていただろうから、私に煩わされることのない場所を選んだのかもしれない。

ところがアンがファーストクラスで働き始め、営業活動をかけてくる。隣町というのは、まだ狭い世間のうちということなのだろうか。

セブにはしばらく足が遠のいた。足が遠のくと、新しい子がいないかとか好奇心が深まり、また行きたくなる。出会いがある。で、久しぶりにセブへ行った。フリーで入ると、まぁまぁ新しい子がやって来た。その日は様子見でフリーで終わろうと思っていた。

そこに前から知っているリサがやって来た。彼女を指名したことはないけれど、人気の女の子だった。私ももういい気分になって来ていた。彼女も私を昔から知っていたから、警戒感がなかった。すぐに仲良くなった。

彼女は結構グラマラスで、胸が豊かだ。それはリサ自身も自覚していて、彼女の着こなしはいつも、これ見よがしに豊かな胸を強調するものだった。酔っぱらって気分のよくなった私はこの胸にやられてしまった。

さんざ美人だとか、スタイルが素晴らしいとかほめちぎり、さらっとちょっとその豊かな胸を触っていいか聞いてみた。すると意外にも、いいよ、との返事が返ってきた。普通は断られるものだが、前から知っていたお客という強みが働いたと見える。

いいよ、と言われて触らない訳にはいかない。じゃぁ、お言葉に甘えて〜、といった瞬間にマネージャーがやってきて、延長するかと聞いてきた。なんというお店にとって都合のいいタイミング。私も後には引けないから、リサを指名したうえで延長した。

ということで、仕切り直しをした上で、両者の合意のもと、彼女もこれみよがしに、さぁどうぞ、という姿勢になったところで、接触をさせてもらった。ただ、彼女にとって予想したのは、さぁどうぞ、と差し出したドレスに包まれた上からの、豊かな胸の接触だったはずだ。私の手は、どうしたことか、そのドレスの下を滑ってしまった。これは事故である。

リサは、こうもどうどうと触られたのは初めてだと言ったが、私も、こうもどうどうと触ったのは初めてだ。お礼に、この手は一週間洗わないと言った。冗談に決まってる。手を洗わないと自分の商売に差し障る。

リサは前から知ってはいたが、こうして付き合いが始まった。その後デートに行く仲にもなったけれど、彼女は私がジーナの元彼であることを知っていた。ある日、車でたまたまファーストクラスの前を通り過ぎた時、リサが言った。「ここ知ってる?ジーナが働いているよ。」鎌が来たーっ!「へぇ、知らない。」とシラを切る。実は噂でもう知っている。リサは「ふ〜ん」と言った。なんだ、そのふ〜んって。女の鎌は恐い!

実は、ファーストクラスはリサの住んでいる家からすぐそこの距離にある。もう、隣町は完全に狭い世間の中に入ってしまった。

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